労働者の生産した製品量または作業量に応じて支払われる賃金の形態。出来高賃金あるいは個数賃金ともいう。時間賃金(時間給)とともに賃金の基本形態をなす。基本的な算式は、一労働日の時間賃金を標準作業量(製品量)で割って単価を決め、それに出来高量を乗じる方式である。標準作業量のもとでの時間賃金が前提されるという点からみれば、出来高給は、時間賃金の転化した形態ということができる。
出来高給は、出来高と賃金収入が直接に対応する仕組みをもっているので、時間賃金と比べて、労働意欲を刺激し、労働能率を高める効果が大きい。しかし、実際には、労働能率のレベルが全体的にアップし、標準出来高が増大してくれば、それに対応して標準出来高がより高く設定し直されたり、賃率が引き下げられたりする傾向があり、労働者の賃金収入が出来高の増大といつでも対応するわけではない。出来高給は、また、製品検査を通じて、監督なしでも労働の質を制御できるという特徴をもつ。この点が、近代的家内労働、内職などで出来高給が支配的となっている最大の要因である。
[横山寿一]
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…その一つは〈時間賃金〉と呼ばれるもので,時給,日給,週給,月給など,時間賃(金)率と労働時間数を支払基準とする賃金形態である。 もう一つは〈個数賃金〉と呼ばれるもので,出来高給,能率給,業績給など,個数賃率(単価)と出来高量を支払基準とする賃金形態である。この場合の時間賃率および個数賃率は(標準日賃率/標準労働日の時間数)または(標準日賃率/標準日出来高)によって算出され規定されるほかはない。…
※「出来高給」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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