日本大百科全書(ニッポニカ) 「資源植物」の意味・わかりやすい解説
資源植物
しげんしょくぶつ
資源植物という用語は最近しばしば用いられるようになったが、この名称は、人類の生活上、必要とする物質を生産することが期待できる植物を意味している。たとえばエネルギー問題に関連して、炭化水素関連化合物を含有する石油植物として注目をひくようになったホルトソウ、アオサンゴEuphorbia tirucalliや、ユーカリ類、鯨油に似た植物油が種実よりとれるメキシコ原産のホホバ、樹液にセスキテルペンを含むコパイフェラ属Copaifera植物などがある。
このことは、人類文化の発展と社会の進歩に伴い、必要とする植物資源の種類や量が増加してきていることによるものであろう。栽培植物は当然資源植物に含まれるが、資源植物といった場合、どちらかといえば現在あまり利用されていないとか、未利用の植物をさしていると考えるべきであろう。したがって新しい有用な植物の探索的意味をも含めて用いられることばといえよう。
[近藤典生]