日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホホバ」の意味・わかりやすい解説
ホホバ
ほほば
jojoba
[学] Simmondsia chinensis Schneid.
ツゲ科(APG分類:シモンジア科)の常緑小木。高さ1メートル以下に低く茂り、葉は長さ2センチメートルほどの卵形で対生する。雌雄異株。雄花は葉腋(ようえき)に小さく群がってつき、雌花は葉腋に1個つく。果実は小さいどんぐり形。メキシコ北部からカリフォルニアに至る砂漠地に生える。果実に約50%の固形脂肪が含まれる。この脂肪は常温では液状なので料理用に使われるほか、頭髪油など化粧品に用いる。また潤滑油として優れ、硫酸処理して織物の仕上げ用柔軟剤、水素添加して白色固体にして床、家具の光沢出し剤、ろうそく、果物の保存塗布剤、口紅の基剤、洗剤など用途が広い。現在は野生のものを採集するだけであるが、捕鯨禁止で油脂が不足することの代用として、将来の栽培化、大量生産化が検討されているという。日本には栽培はない。
[星川清親 2020年5月19日]
APG分類ではナデシコ目シモンジア科ホホバ属の1種とされている。
[編集部 2020年5月19日]