賜ばす(読み)タバス

デジタル大辞泉 「賜ばす」の意味・読み・例文・類語

たば・す【賜ばす】

[動サ下二]動詞「た(賜)ぶ」の未然形+尊敬の助動詞「す」から》(多く「…てたばせたまふ」の形で)…してくださる。
「願はくは、あの扇の真中射させて―・せ給へ」〈平家一一

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「賜ばす」の意味・読み・例文・類語

たば‐・す【賜】

  1. 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙 ( 動詞「たぶ(賜)」の未然形に敬意を強める助動詞「す」の付いてできたもの )
  2. [ 一 ] おあたえになる。下賜される。たまわす。
    1. [初出の実例]「此女若し奉る物ならば翁にかうぶりをなどかたばせざらん」(出典:京大本竹取(9C末‐10C初))
  3. [ 二 ] 特に「たばせたまう」の形で補助動詞的に用いる。…して下さる。
    1. [初出の実例]「あの扇の真中射させてたばせ給へ」(出典:平家物語(13C前)一一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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