恒星の質量とその光度との関係。光度とは恒星の本来の明るさ。恒星は質量が大きいほど明るい。太陽の質量程度では,光度は質量のほぼ4.5乗に比例して明るくなるが,太陽質量の10倍以上の星では,ほぼ3乗に比例する。恒星までの距離がなんらかの方法で推定されれば,その見かけの明るさは光度に換算され,質量光度関係を用いてその恒星の質量を知ることができる。逆になんらかの方法で質量が推定されれば,その恒星までの距離を知ることができる。ただし上に述べた定量的関係が成り立つのは恒星全体の92%を占める主系列星に限られる。巨星や白色矮星(わいせい)については,特定の質量光度関係は存在しない。巨星の光度はその中心部にある,化学組成の異なった中心核の質量によって決まる。白色矮星の光度は,星が白色矮星になってから何年間たったかによって決まる。
執筆者:杉本 大一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報