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物理学用語。光源の照明する強さを表す量。点光源からある方向に出る光束の単位立体角当りの割合をその方向の光度という。実際の光源は点ではなく大きさがあるが、空間的尺度を大きくとれば点光源とみなしうる。単位はカンデラcandela、単位記号cd。ランプや照明器具はいろいろな方向に強さの異なる光を出すが、これらの光の強さを光度で表したものを光度分布といい、照明設計に利用しやすいように光の出る方向(角度で表す)と光度分布を対応させたものを配光、これを図に表したものを配光曲線という。
カンデラは1948年の国際度量衡委員会で光度の単位として採用され、日本では1951年(昭和26)の計量法によって基本単位になった。それ以前は燭(しょく)が用いられていたが、1燭=1.0067カンデラで実用上カンデラと燭はほぼ等しい光度である。1960年には国際単位系(SI)が採択され基本単位の一つに採用された。カンデラということばは「獣の脂でつくったろうそく」というラテン語に由来する。
[高橋貞雄]
『電気学会通信教育会編『電気学会大学講座 照明工学』(1963・電気学会)』▽『日本工業出版編・刊『知っておきたい単位の知識 七つの基本単位』(1975)』
天文学では、光度とは天体の表面全体から1秒間に放射されるエネルギーのことをいう。たとえば、太陽の光度は3.85×1026ジュール毎秒である。いいかえると、光度は全波長で測った天体自身の明るさのことであり、絶対放射等級として表すこともできる。たとえば、絶対放射等級で0等星の光度は2.72×1030ジュール毎秒である。星の光度を観測的に求めるには、星の表面温度から推定した放射補正を実視等級に適用して放射等級に換算し、さらに星までの距離を知って、見かけの放射等級から絶対放射等級を計算する方法などがある。なお、「光度曲線」の光度のように、見かけの明るさを表す場合もある。
[岡崎 彰]
(1)物理学の光度luminous intensity 光源からどのくらい強い光が出ているかを表す心理物理量で,単位としてはカンデラ(記号cd)が用いられる。1cdは光源から光が出ていくとき1立体角内に1lmの光束があるときの光度である。この定義の中には光源の面積は入ってこない。それを面積のない点光源と仮定しているからである。光源から出ていく光の量は方向によって違ってくるので,光度をいうときにはどちらの方向に対してであるかを示しておかねばならない。
執筆者:池田 光男(2)天文学の光度luminosity 天体の光度は絶対等級という単位で表現する。例えば太陽は(実視の)絶対等級が+4.8等である。これをしいてカンデラに換算すれば,太陽の光度はおよそ2.8×1027cdである。もっとも明るい恒星の光度はこれの数万倍にも達する。天体の絶対等級でなく,単に見かけの明るさ(等級)のことを光度という場合もあるが,これはやや不正確な用法というべきである。
→等級
執筆者:大沢 清輝
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…恒星の質量とその光度との関係。光度とは恒星の本来の明るさ。…
…物の単位面積(m2)から出る光束(lm)をその面の光束発散度(単位ラドルクスrlx)という。点光源から単位立体角当りに出る光束量(lm)を光度(単位カンデラcd)という。 物の形や色が目に見えるのは,物の面から目の方向へ反射した光が目に入るからであり,窓や光源が目に見えるのは,窓を透過した光や,光源から出た光の一部が目の方向に進んで瞳孔に入り,網膜上に映像を結ぶからである。…
※「光度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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