購買力の国際的移転(読み)こうばいりょくのこくさいてきいてん(英語表記)transfer effect of domestic income

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「購買力の国際的移転」の解説

購買力の国際的移転
こうばいりょくのこくさいてきいてん
transfer effect of domestic income

1973年末に石油輸出国機構 OPECが石油価格を一挙に 4倍も引き上げた結果,石油消費国の実質購買力が OPECに移転する効果を与えたことに代表される,経済的影響。移転の大きさは,OPECの例では石油消費国における交易条件の悪化分と貿易依存度のによって決まる。ある石油消費国の交易条件指数が OPECの値上げで 30%悪化し,またその国の輸入依存度が 15%であったとすれば,その国の実質国民総生産(実質GNP)は 4.5% OPECへ強制的に移転することになる。石油危機以後,世界の石油消費国はこうした影響をこうむって,国によって差はあるが,インフレーション景気後退,国際収支赤字のいわゆるトリレンマに陥った。このような移転のメカニズムは,第1次世界大戦後のドイツ賠償金支払いをめぐるジョン・メイナード・ケインズとベルティル・G.オリーン論争を想起させた(→トランスファー論争)。

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