ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トランスファー論争」の意味・わかりやすい解説
トランスファー論争
トランスファーろんそう
transfer controversy
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第一次世界大戦後ドイツの賠償金取り立てをめぐって、J・M・ケインズとB・G・オリーンの間で行われた論争のこと。賠償金という貨幣的移転(トランスファー)がどのようにして実物的移転となるかにつき、両者の見解が対立した。ケインズは、ドイツでは賠償金支払いのためまず増税をする必要があり、ついでそれを諸外国に移転するために輸出超過を創出しなければならず、そのためには交易条件の悪化、生活水準の低下は避けられないとした。これに対しオリーンは、ドイツでは購買力の減少によって輸入が減り、諸外国では受け取った賠償金のなかからドイツ商品を買うのでドイツの輸出増となり、交易条件の悪化なしに輸出超過を創出することができるとした。この論争は後の国際収支調整論の糸口となった。
[土屋六郎]
…同様の困難な問題は民間部門による資本輸出や過去の債務の返済に伴う資金の移動についても存在するとしばしばいわれるが,しかし民間のみによる資本移動の場合は同時に利子や物価,所得がこのような資金の移転を可能にするように市場メカニズムによって変動しているため,トランスファー問題はあまり問題とならない。 トランスファー問題に関連した歴史的に有名な話に,第1次大戦後の敗戦国ドイツが多額の賠償金を戦勝国に支払わねばならなかったとき,トランスファー問題が存在し重大な問題であると主張したJ.M.ケインズと,存在するがそれほど重大でないと主張したB.G.オリーンとの論争(トランスファー論争)がある。【鬼塚 雄丞】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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