超イオン伝導体(読み)チョウイオンデンドウタイ

デジタル大辞泉 「超イオン伝導体」の意味・読み・例文・類語

ちょうイオン‐でんどうたい〔テウ‐デンダウタイ〕【超イオン伝導体】

融点より十分低い温度でもイオン伝導による電気伝導率溶融塩程度(1Ω-1m-1以上)に高い固体電解質高イオン伝導体超イオン導電体高イオン導電体

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「超イオン伝導体」の解説

超イオン伝導体
チョウイオンデンドウタイ
super ionic conductor

固体電解質のうち,室温付近における電気伝導率が1 Ω-1 m-1 以上か,同温度の溶融塩に匹敵する高い電気伝導率を有する物質.一般に,超イオン伝導体は,可動イオンの存在するサイトとエネルギー的にまったく等価な,あるいはほぼ等しいサイトが多数存在する統計構造,あるいは平均構造とよばれる構造をもつ.可動イオンはこれらのサイトのどこにでも存在でき,これらのサイトは,点欠陥と対比して,構造的欠陥(structual disorder)とよばれることもある.一部の平均構造をとる結晶は,ほかのイオンで構成されるフレームワークの中を可動イオンが半溶融した状態で動きまわれるために,液体に匹敵する高いイオン導電率を示す.結晶構造に起因するイオン導電体は,さらにイオン導電パスの空間的な広がり方によって,α-AgIの三次元平均構造やNa-β-Al2O3層状構造などに分類される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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