超交換相互作用(読み)ちょうこうかんそうごさよう(その他表記)superexchange interaction

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「超交換相互作用」の意味・わかりやすい解説

超交換相互作用
ちょうこうかんそうごさよう
superexchange interaction

陰イオンをはさんだ2つの磁性イオンの間に,陰イオンをこえて存在する磁気的相互作用。 H.クラマースにより発表され,のちに P.アンダーソンによりスピンベクトルの内積で示される交換相互作用の形に定式化された。実際物質での超交換相互作用は,結晶中のイオン配置と電子密度分布を考慮した,金森=グッドイナフ則により考えることができる。

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世界大百科事典(旧版)内の超交換相互作用の言及

【交換相互作用】より

…鉄族遷移金属の化合物などのように,磁性を担う電子が各磁性原子に局在している局在磁性電子系についての磁性の研究は第2次世界大戦後おおいに進み,交換相互作用についても詳しい研究がなされた。上に説明をした直接交換相互作用と呼ばれるもののほかに,超交換相互作用,間接交換相互作用と名付けられる,もっと複雑なものが実際に働いていることが明らかにされた。これらの複雑な交換相互作用の中には二つのスピンの向きを反平行にする力を与えるものがあり,すべてのスピンの向きがそろっている強磁性に対して,磁性原子の上の電子のスピンの向きが結晶格子に沿って互い違いに変わるような磁性が発現することが示された。…

※「超交換相互作用」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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