改訂新版 世界大百科事典 「軌道プラットホーム」の意味・わかりやすい解説
軌道プラットホーム (きどうプラットホーム)
space platform
地球を周回する軌道上の多目的大型衛星。宇宙空間に打ち上げられる多種多様な装置を中心構造体(本体)に取り付け,電力供給,姿勢制御,データ処理,通信などの機能の統合を行うことにより,費用の低減と,より長期間の運用を目指したものである。スペースシャトルの定常的運航を控えて現在いろいろな概念が提案されている段階で,多様な目的に柔軟に対応するためには共通部分の統合と同時に各装置の独立性も配慮されねばならない。本体は多数の結合口をもち,望遠鏡,実験室,補給室,居住室といったモジュール化された各装置はここに取り付けられ,必要に応じて地球からのスペースシャトルによって取換えあるいは必要物資の補給などのサービスを受けることになる。先駆的なものとしてスカイラブによる実験がある。
執筆者:松尾 弘毅
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報