軍事都市(読み)ぐんじとし(その他表記)fortress city

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「軍事都市」の意味・わかりやすい解説

軍事都市
ぐんじとし
fortress city

軍の諸機関や施設を中心として発展した都市。日本では明治4 (1871) 年の鎮台設置,1876年の鎮守府設置によって軍事都市が誕生したとみることができる。特に軍港のある都市に典型的に存在した。その後は,師団設置,造兵廠の建設,大規模な補給廠の設置などによって多くの軍事都市が続出した。いずれも軍を対象とする諸産業に従事する住民が多かったのが特徴で,第2次世界大戦中まで「軍事都市」または「軍都」を市名に冠して呼称したところが多い。代表的な都市に,佐世保,広島,呉,立川横須賀などがあった。諸外国ではアメリカのサンディエゴアナポリスイギリスポーツマス,フランスのツーロンなどが代表的な軍事都市。

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世界大百科事典(旧版)内の軍事都市の言及

【都市】より

…物資の流動に関係する都市である。(3)消費都市 政治の中心としての政治都市,軍隊の存在によって成立する軍事都市,大学や研究所の存在が基盤になる学術都市,宗教的施設や信仰の中心がある宗教都市,観光施設があり,観光基地となる観光都市,温泉地や避暑地・避寒地にできた保養都市,衛星都市として住宅機能の卓越した住宅都市など多種多様であるが,物資は流入し,都市内で消費され,廃残物しか出てゆかない都市である。以上の三つの分類は,都市のもつ諸機能の中で最も卓越した機能,あるいは最も特徴的な機能によって分類したものであるが,大都市では三つの機能を兼ね備えているのが普通で,それらは総合都市として別に分類される。…

※「軍事都市」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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