アナポリス(読み)あなぽりす(英語表記)Anápolis

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アナポリス」の意味・わかりやすい解説

アナポリス(アメリカ合衆国)
あなぽりす
Annapolis

アメリカ合衆国メリーランド州中央部にある同州の州都。人口3万5838(2000)。チェサピーク湾に注ぐセバーン川の河口付近に位置する。同州南部の野菜・果実栽培地域の取引、出荷の中心地である。海産物加工、造船プラスチックの製造業などがあるが、州政庁と海軍士官学校の存在が市の経済活動の基礎を支えている。海軍士官学校は1845年に海軍学校として創立され、1850年に現在の名称に変更された。

 1649年、王党派の勢力が強かったバージニアから逃れてきた清教徒ピューリタン)が定住を始め、プロビデンスProvidenceとよばれていたが、1694年にメリーランドの首都となり、イギリスのアン女王にちなみアナポリスと改名された。18世紀にはたばこ輸出と、ヨーロッパおよび西インド諸島との貿易によって発展し、植民地の社会、商業の中心都市となった。町には18世紀の建造物が多く、植民地時代の景観を残している。

[菅野峰明]


アナポリス(ブラジル)
あなぽりす
Anápolis

ブラジル中西部、ゴヤス州南部の高原上、標高1000メートルの都市。人口28万8085(2000)。アマゾン川とラ・プラタ川の両水系の分水界をなす台地上に広がる開拓地域の中心として発達し、北東150キロメートルにある首都ブラジリアの建設基地になった。ブラジル中西部の自動車交通の要衝にあたり、家畜コーヒー、米、ワタ、チタニウム鉱石の集散地であり、ゴヤス州第一の工業都市でもある。

[山本正三]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アナポリス」の意味・わかりやすい解説

アナポリス
Annapolis

アメリカ合衆国,メリーランド州の州都。チェサピーク湾の湾口から 3kmのセバーン川の河畔に位置する。 17世紀中頃入植。地名はイギリスのアン女王にちなむ。独立戦争時は戦禍を免れた。 1784年大陸会議でイギリスとの和平条約が批准された地としても知られる。海軍兵学校の所在地として有名。植民地時代の建物も多く残っている。カニやカキなどの水揚げが多く,農産物なども合せた交易が行われる。プラスチックや機器類などの製造工場も立地。ジョンズ・ホプキンズ大学の海洋研究所がある。人口3万 3187 (1990) 。

アナポリス
Anápolis

ブラジル中部,ゴイアス州南東部の都市。州都ゴイアニアと首都ブラジリアにはさまれて中央高原上の標高 970mの地にある。同州の商業中心地で,州内に産する肉牛,食肉,コーヒー,ゴム,トウモロコシ,小麦,鉱産物 (水晶,ニッケル,金,ダイヤモンド) などを集散する。サンパウロ,リオデジャネイロと鉄道,道路で,ブラジリアとは道路で結ばれ,これら大都市へ出荷するほか,西に向って広がりつつある入植地への物資補給基地となっている。人口 23万 9047 (1991推計) 。

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