翻訳|San Diego
アメリカ合衆国、カリフォルニア州サン・ディエゴ湾に臨む同州最南端の都市。人口122万3400(2000)。陸地に囲まれた良質の天然港が、同市の性格を特徴づけている。輸入港であるとともに、合衆国海軍の主要基地の一つとして多くの大規模海軍施設が置かれ、同市の労働者の多くを吸収する。付近には農業・牧畜地帯が広がり、その集散・加工地としても重要である。一帯は合衆国最大のアボカドの産地として知られる。工業の発達が目覚ましく、アトラス・ミサイル社を中心とした航空機、エレクトロニクスがその中心をなすほか、海洋を軸とした科学開発・研究が盛んである。そのほか、造船業やスポーツ用品、衣料、家具などの製造も盛んである。土地、労働力の確保が比較的容易なところから、1970年代に多くの企業が同市に移転した。このため人口増加が目だち、1970年には全米14位であった人口が80年には8位と急上昇した。2000年現在7位。温暖で湿度の低い過ごしやすい気候と美しい海岸線、スペイン文化を残す遺跡に恵まれ、メキシコ国境に近いことも加わって観光業が重要視されている。
ヨーロッパ移民がつくった都市のなかでは同州最古の都市として長い歴史をもつが、その歴史はスペインからJ・R・カブリリョが1542年ここに上陸したことに始まる。本格的なスペイン人の定住は1769年からで、1821年にはメキシコ、さらに48年には合衆国の統治下に入った。1850年から70年の間は捕鯨基地として繁栄し、70年のゴールド・ラッシュによって人口の急増をみた。近代化の始まりは、1885年の鉄道の開通が契機となる。同市は飛行機に縁の深い都市で、1883年にJ・モンゴメリーがグライダーでの飛行に成功したのを皮切りに、多くの飛行家がチャレンジを繰り返し、1927年にはC・リンドバーグによる世界初の大西洋横断単独飛行(ニューヨーク―パリ)の出発地点となった。至る所にスペイン領時代のおもかげが残り、歴史公園であるオールド・タウン、プレシディオ・パークが興味深い。文化施設の多く集まるバルボア・パークや、ボート、水上スキー、釣り、水泳の楽しめるミッションベイ・パークは市民の憩いの場として親しまれる。スクリップス海洋学研究所をもつカリフォルニア大学やサン・ディエゴ州立大学の所在地である。
[作野和世]
アメリカ合衆国カリフォルニア州太平洋岸の商工業・軍港都市。人口125万5540(2005),大都市域人口260万(1992)。州南部,メキシコ国境にも近く,亜熱帯性の地中海気候で夏は平均20℃,冬は平均14℃,海水浴,釣りなどの観光産業が発達している。1769年に建設され,スペインの聖人にちなんで地名がつけられた。スペイン,メキシコを経て1848年アメリカ領となったが,天然の良港のため漁業の根拠地として発展。第1次大戦中に海軍基地が設けられ,第2次大戦中には航空機産業が活発となった。巨大な海軍基地に依存するミサイル,航空機などの軍需産業が経済の中心となっている。カリフォルニア大学の分校,同大学スクリップス海洋研究所などもある。スペイン系住民が約15%いる。
執筆者:正井 泰夫
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