軟性下疳と鼠径リンパ肉芽腫症

六訂版 家庭医学大全科 の解説

軟性下疳と鼠径リンパ肉芽腫症
(感染症)

 1948年に制定された性病予防法では、梅毒(ばいどく)淋病(りんびょう)軟性下疳鼠径リンパ肉芽腫症をその対象疾患としていました。制定当時は流行していた性感染症でしたが、近年では一変しています。

 軟性下疳は感染部位に痛みの強い壊疽性(えそせい)潰瘍鼠径リンパ節の化膿性炎症を特徴とします。1945~50年に流行しましたが、近年では海外で感染する人がわずかにいるのみです。

 鼠径リンパ肉芽腫症はクラミジア感染症で性感染症ですが、熱帯地方に多く日本ではまれです。初期の水疱(すいほう)は痛みはなく1~2週間で治ります。1週間~2カ月後に鼠径部リンパ節がはれて化膿します。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報