淋病(読み)りんびょう

百科事典マイペディア「淋病」の解説

淋病【りんびょう】

淋疾とも。淋菌感染によって起こる性病。主として性交により感染。男性では,初期には急性前部尿道炎により排尿痛や漏をみる。炎症が後部尿道に及ぶと症状が強くなり,頻尿(ひんにょう)を呈し,副睾丸(こうがん)炎亀頭包皮炎などの各種生殖器の合併症や,遠隔臓器への転移を起こしやすくなる。慢性化すると症状は軽くなり,尿中に淋糸や膿片を認める程度だが,飲酒,過労などにより急性症状をきたす。女性では尿道炎や子宮頸管(けいかん)炎を起こし,尿道口の発赤・腫脹(しゅちょう),排尿痛,頻尿,膿性帯下(たいげ)などをみる。進行すると子宮内膜炎卵管炎などをきたすほか男性と同様に遠隔臓器へも転移,放置すると慢性症になる。治療は両者ともペニシリンなどの抗生物質投与。
→関連項目関節炎精子銀行伝染病届出伝染病

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル大辞泉「淋病」の解説

りん‐びょう〔‐ビヤウ〕【×淋病/×痳病】

淋菌の感染による性病。性行為のほか菌の付着した手やタオルからも感染する。2~7日の潜伏期ののち、男性では尿道炎、女性では膣炎(ちつえん)として発症し、激しい排尿痛や灼熱感があり、膿(うみ)が出たりする。前立腺炎・卵管炎などを併発することもある。淋疾トリッペル

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版「淋病」の解説

りんびょう【淋病 gonorrhea】

淋菌の感染によって起こる性病の一種で,医学的には疾という。古くは淋毒あるいは消渇(しようかち),屢尿(しばゆばり)とも呼ばれた。中国,インドヘブライ,ローマ,アラビアの古い書物にいろいろと記載されているが,そのころは,その他の性病とはっきり区別されていたわけではなかった。16世紀ころになっても淋病と梅毒は同一のによって起こるのではないかという論争が続いていたが,19世紀末ドイツのナイサーAlbert L.Neisser(1855‐1916)によって淋菌が発見され,これに終止符が打たれた。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内の淋病の言及

【尿】より

…歩行者は不意に降ってくる尿に不断の注意を払い,男は女を街路の中央よりに歩かせる配慮をするならわしがあり,イギリスの一部では18世紀末まで尿で汚れてもかまわない外套(がいとう)を用いていた。 排尿しなければ生きていけないが,1度に排尿できず頻尿となることがあり,これを平安朝期には淋病(しわゆばり)といった。当時,腎臓や膀胱の疾患のために尿が出にくいことが〈淋〉であり,現代の淋病とは異なる。…

【性病】より

…おもに性交によって人から人へ感染していく病気の総称で,梅毒淋病軟性下疳(なんせいげかん)および鼠径(そけい)リンパ肉芽腫(第四性病)が含まれる。俗に花柳(かりゆう)病などともいわれた。…

※「淋病」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

グレコローマンスタイル

アマチュアのレスリング競技形式の一種。競技者は腰から下の攻防を禁じられており,上半身の攻防のみで戦う。ヨーロッパで発生したのでヨーロッパ型レスリングとも呼ぶ。古代ギリシア時代から行なわれていた型が受け...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android