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軟性下疳 なんせいげかんsoft chancre

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

軟性下疳
なんせいげかん
soft chancre

性病の一つ。軟性下疳菌 (デュクレイ菌) に感染後2~3日で赤色小丘疹が発生,これがまもなく膿疱化し,破れて潰瘍化する。潰瘍には膿苔が付着し,触れると激痛がある。好発部位は外陰部であるが,口唇や肛門周囲にも現れることがあり,膿の自家接種により多発する。発病の2~3週間後に鼠径リンパ節が腫脹,融合して団塊状となり,皮膚も発赤,腫脹して,やがて排膿する。激痛がある。これを有痛性横痃 (よこね) という。軟性下疳の病変は梅毒と異なって局所性に発生する。

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デジタル大辞泉の解説

なんせい‐げかん【軟性下×疳】

性病の一。ジュクレー連鎖桿菌(かんきん)の感染によって起こる。感染後2、3日して陰部に米粒ほどの膿疱(のうほう)性の発疹(ほっしん)ができ、潰瘍(かいよう)となって痛む。2、3週間で治癒する。

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百科事典マイペディアの解説

軟性下疳【なんせいげかん】

軟性下疳菌の感染によって起こる性病。性交により伝染。感染後数日を経て,男子では陰茎の冠状溝,包皮の内外面,女子では腟(ちつ)口,尿道,陰唇(いんしん)などに米粒大の紅色丘疹を生じ,水疱(すいほう)・膿疱化し,破れて潰瘍(かいよう)となる。
→関連項目下疳混合下疳届出伝染病

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家庭医学館の解説

なんせいげかん【軟性下疳 Soft Chancre】

[どんな病気か]
 性感染症の1つで、ヘモフィリス・デュクレイ(軟性下疳菌)という細菌の感染でおこります。
 感染機会となった性行為から2~3日、おそい場合は1週間前後で、男性はペニスの冠状溝(かんじょうこう)(亀頭溝(きとうこう))付近や包皮(ほうひ)の内側、女性は陰唇(いんしん)や腟前庭(ちつぜんてい)に、大豆(だいず)くらいの大きさの潰瘍(かいよう)が数個発生します。
 潰瘍は、円形か楕円形(だえんけい)で、周囲との境界がはっきりしていて、表面に汚い膿(うみ)をもち、さわるとやわらかく、激しく痛みます。
 潰瘍の中には、たくさんのヘモフィリス・デュクレイがいて、分泌物(ぶんぴつぶつ)といっしょに周囲にくっつき、新しい潰瘍が広がっていきます。
 潰瘍ができて1~2週間後に、半数近くの人は、鼠径(そけい)リンパ節(せつ)の腫(は)れと痛みがおこり、化膿(かのう)すると熱が出ます。軟性下疳と梅毒(ばいどく)がいっしょにおこることがあって、この場合は、潰瘍がしだいにかたくなり、硬性下疳(こうせいげかん)(「梅毒」の第1のようになります。
 これを混合下疳といいますが、軟性下疳の治療を行なうと混合下疳の症状が現われず、潜伏梅毒のかたちをとるので、梅毒の併発に気づかないことがあります。このため、軟性下疳の診断から6週間後に梅毒血清反応(ばいどくけっせいはんのう)検査(コラム「梅毒血清反応」)を必ず行ないます。
[治療]
 ふつう、サルファ剤を1~2週間、内服します。ストレプトマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコールなどを内服や注射で使用することもあります。
 潰瘍には、サルファ剤やテトラサイクリン含有の軟膏(なんこう)をガーゼにのばして貼(は)ります。

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世界大百科事典 第2版の解説

なんせいげかん【軟性下疳 chancroid】

軟性下疳菌Haemophilus ducreyiを病原体とする性病。性交による感染後1~7日に外陰部に1~数個の赤い小さな隆起が発生したのち,化膿して潰瘍となるが,その潰瘍の縁は深くえぐれている。男では陰茎亀頭の周辺,包皮の内側など,女では大小陰唇,腟粘膜などに発生しやすい。さらに片側または両側の鼠径(そけい)リンパ節が痛みを伴ってはれてくるので,有痛性横痃(おうげん)とも呼ばれている。この横痃(〈よこね〉ともいう)は化膿するので,内容の膿が皮膚を破って外へ出ていく。

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大辞林 第三版の解説

なんせいげかん【軟性下疳】

デュクレー軟性下疳菌の感染による性病。感染後二、三日で外陰部に紅色丘疹を生じ、膿疱、潰瘍を経て瘢痕はんこんとなる。潰瘍は分泌物が多くてやわらかく二次感染を起こしやすい。多くは鼠径そけいリンパ節が腫れて痛む。 → 硬性下疳

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

軟性下疳
なんせいげかん

軟性下疳菌(デュクレー(かん)菌)Haemophilus ducreyiを病原体とする性病で、びらんした皮膚や粘膜より感染する。軟性下疳菌は、1889年イタリアの皮膚科医デュクレーAugosto Ducreyによって発見されたグラム陰性桿菌で、罹患(りかん)部の潰瘍(かいよう)に存在する膿(のう)中に認められる。
 性行為によって感染後3~5日の潜伏期を置いて発病する。男性では陰茎に、女性では陰唇や腟(ちつ)入口などに小膿疱(のうほう)ができ、まもなく自壊して大豆大の痛みのある潰瘍を形成し、悪臭がある。潰瘍からの膿が付着して周囲に潰瘍が多発することもある。初発症状出現後2週間内外に鼠径(そけい)部リンパ節が赤く腫(は)れて化膿することがあり、有痛性横痃(おうげん)とよばれている。治療としては、サルファ剤またはテトラサイクリンが有効で、これによって軟性下疳は急速に減少し、きわめてまれになってきたが、アフリカ諸国には多いと報告されている。[岡本昭二]

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世界大百科事典内の軟性下疳の言及

【性病】より

…おもに性交によって人から人へ感染していく病気の総称で,梅毒淋病軟性下疳(なんせいげかん)および鼠径(そけい)リンパ肉芽腫(第四性病)が含まれる。俗に花柳(かりゆう)病などともいわれた。…

※「軟性下疳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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