辞世の句(読み)じせいのく

知恵蔵mini 「辞世の句」の解説

辞世の句

死を前にしてこの世に書き残された詩的な短文のこと。和歌俳句漢詩など音韻を重視したものであることが多い。東アジア固有の風俗とされ、特に中世以降の日本において多く作られた。広義には、死を意識せずに書いた生涯最後の短型詩なども辞世の句とされることもある。著名な辞世の句として、「願はくは 花のもとにて 春死なむ その如月望月のころ」(西行)、「ちりぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」(細川ガラシャ)、「風さそふ 花よりもなほ 我はまた 春の名残を いかにとやせん」(浅野内匠頭)、「おもしろき こともなき世を おもしろく」(高杉晋作)などがある。

(2013-3-1)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android