はい‐く【俳句】
〘名〙 (「
俳諧の句」の略) もと
俳諧連歌の第一句(
発句)が独立してできたもの。元来は俳諧
連歌の発句および
連句の句をさしていっていたが、
明治にはいって
正岡子規が発句のみを意味する語として使うようになってから一般化されるようになった。五七五の三句一七文字で完結する
日本独特の
短詩で、季
(き)を入れるならわしであるが、
季語の
撤廃や
定型を破った
自由律の
主張などもみられる。
※俳諧・虚栗(1683)序「翻レ手作レ雲覆レ手雨 粉々俳句何須レ数」
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デジタル大辞泉
「俳句」の意味・読み・例文・類語
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俳句【はいく】
5・7・5の3句17音からなる定型詩で,季題によって自然の風物,人事をよむ。俳句の語は明治になって正岡子規の俳諧革新運動以後,俳諧の発句(ほっく)の意味で使われるようになったもので,普通江戸以前のものを俳諧,明治以後のものを俳句と呼んでいる。近代俳句は明治20年―30年代,子規の革新運動を中心に興り,写生をもって自然の美をあるがままに写そうとした。子規没後は河東碧梧桐,高浜虚子らに引き継がれたが,明治末年には碧梧桐,大須賀乙字らが新傾向俳句を唱え,荻原井泉水らの自由律運動(自由律)も興った。これに対して虚子は花鳥諷詠(ふうえい)を唱え,《ホトトギス》によって活躍,その影響は現在にまで及んでいる。昭和初年ごろには新興俳句運動が興り,清新自由な句境を志し,またプロレタリア俳句運動も提唱された。
→関連項目句|歳時記|写生文|定型|発句
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俳句
はいく
日本文学の一形態。「俳句」の語は江戸時代前期から散見するが,それは「俳諧の句」の意味で,連句のなかの一句をも,発句 (ほっく) をも意味した。もっぱら5・7・5の 17音の短詩形の文学,すなわち古く一般に発句といっていたものをさすようになったのは,明治 20年代以後のことである。したがって江戸時代の発句は明治以後の俳句にほぼ相当する。発句,俳句は,一般的には文語を用い,17音の定型を守り,切れ字および季語 (季題 ) をもつ。しかし大正初年の荻原井泉水以来,季題無用論,非定型自由律も説かれ,口語使用も,江戸時代に上島 (うえじま) 鬼貫,広瀬惟然,小林一茶らによってしばしば試みられ,今日もかなり行われている。
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俳句
はいく
五七五の17音からなる日本独特の短詩。季語・切字を特徴とするが,季語を排した無季俳句や,定型を破って散文的な表現法をとる自由律俳句の主張もみられる。俳句は「俳諧の句」の略で,江戸時代には発句と連句の両方をさしたが,一般的ではなかった。明治期に正岡子規が「発句は文学なり。連俳は文学に非ず」(「芭蕉雑談」)として,付句を切り離して独立した発句を俳句とよび,これが定着した。子規没後はその門の双璧といわれた河東碧梧桐(かわひがしへきごとう)・高浜虚子(きょし)が俳壇を二分して活動を継承。昭和期には新興俳句運動とよばれる新たな改革がおこった。第2次大戦後は俳壇も賑やかさをまし,俳句人口も広がって現在に至る。
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はいく【俳句】
〈俳諧の句〉を縮約した〈俳句〉という語は,俳諧集《尾蠅(おばえ)集》(1663),上田秋成の《胆大小心録》(1808)などに用例がある。しかし,江戸時代には一般化せず,この語が5・7・5音の組合せを基本にした定型詩を指すようになったのは,明治時代,すなわち正岡子規による俳句革新が行われた過程においてである。それまでは発句(ほつく)という言い方が普通であった。発句とはもともとは連句における最初の句だが,江戸中期以降,発句のみが単独に作られることが多くなっていた。
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俳句
俳句とは、五・七・五の三句十七音から成る、日本独自の定型詩の事を指し,「季語」と呼ばれる季節を表す言葉を含まなければならないというルールがあります。「俳諧〔はいかい〕の句」という言葉が略されて、「俳句」と呼ばれるようになりました。
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俳句
角川文化振興財団が発行する趣味・専門誌。俳句に関する情報を紹介。毎月発売。
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世界大百科事典内の俳句の言及
【季語】より
…一定の季節と結びつけられて,連歌,俳諧,俳句で用いられる語を季語(または季題)という。少数の語の季語化は,《古今和歌集》以下の勅撰和歌集でなされていたが,季語化の意識が強くなったのは,四季の句をちりばめて成立する連歌においてである。…
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