近世風俗見聞集(読み)きんせいふうぞくけんもんしゅう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「近世風俗見聞集」の意味・わかりやすい解説

近世風俗見聞集
きんせいふうぞくけんもんしゅう

明治の末から大正の初めにかけて近世国史の遺漏を補うために編纂(へんさん)されたもの。国書刊行会編で四冊本。慶長(けいちょう)(1596~1615)から慶応(けいおう)(1865~68)末年にわたる約300年間の、江戸を中心とした市井の巷談(こうだん)・風説諸国の風俗・見聞などの随筆書13種を集め、年代順に配列したものである。『そぞろ物語』(三浦浄心)、『むかしむかし物語』(新見正朝(まさとも)、一説には財津種莢)、『久夢日記』(撰者(せんじゃ)未詳)、『元禄宝永(げんろくほうえい)珍話』(撰者未詳)、『月堂見聞集』(本島知辰(ともたつ))、『享保(きょうほう)世話』(撰者未詳)、『元文(げんぶん)世説雑録』(撰者未詳)ほか6種。

[片岸博子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android