近交系(読み)キンコウケイ

デジタル大辞泉 「近交系」の意味・読み・例文・類語

きんこう‐けい〔キンカウ‐〕【近交系】

近親交配を繰り返し、形質の異なる個体を分離することによって作り出された、遺伝的に均一な動植物個体群。ほとんどの遺伝子が同じ対立遺伝子をもつホモ接合体となっている。
[補説]すべての遺伝子または重要な形質に関与する遺伝子がホモ接合体となっているものを純系という。

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精選版 日本国語大辞典 「近交系」の意味・読み・例文・類語

きんこう‐けいキンカウ‥【近交系】

  1. 〘 名詞 〙 遺伝子型を固定するために、近親交配を重ねて作り出した系統実験動物では二〇代以上、全兄妹交配を続けた系統をいう。

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世界大百科事典(旧版)内の近交系の言及

【実験動物】より

…そのため,近年,野生動物や家畜から実験動物化する試みが盛んに行われている。 実験動物はその遺伝管理の強さによって近交系inbred line,クローズドコロニーclosed colony,交雑群cross bredなどに分けられる。近交系と呼ばれるものは20世代以上,全兄妹間の交配を繰り返した系統で,遺伝的にはほとんど完全なホモ接合体の個体ばかりと考えられる遺伝的変異のまったくない集団である。…

【純系】より

…実際多くの自殖性作物で,多数の純系を作り,その中から優れた系統を選び出し,新しい品種として用いている。実験動物や他家受精する植物では,兄弟姉妹交配などの近親交配を繰り返すことにより,純系にはほど遠いが多くの遺伝子座でホモ接合化が進んだ近交系inbred lineが作られ,育種や実験に用いられている。【大西 近江】。…

※「近交系」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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