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純系 ジュンケイ

百科事典マイペディアの解説

純系【じゅんけい】

厳密には細胞に含まれるすべての対立遺伝子が同一,すなわちホモである個体,または個体群をいう。しかしこのような個体は生活力が弱くて維持がむずかしいため,普通は着目する形質に関与する遺伝子がホモであれば純系という。
→関連項目致死遺伝子

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世界大百科事典 第2版の解説

じゅんけい【純系 pure line】

同じホモ接合の遺伝子型をもつ個体からなる遺伝的に均一な系統の総称。自家受精を繰り返して得られる均一な系統にはもはや遺伝的な変異が存在せず,したがって選抜の効果もないというW.L.ヨハンセン純系説の基礎となる概念。ただし,ホモ接合でなくても栄養繁殖や単為生殖などで増殖した遺伝的に均一な系統も純系と呼ぶことがある。厳密な意味での純系を作ることはクローンの場合を除けば不可能であるが,自家受精を繰り返せばこれに近い系統ができ,着目する形質を支配する遺伝子についてホモ接合で系統内でほぼ均一ならば,これらも純系として取り扱っている。

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大辞林 第三版の解説

じゅんけい【純系】

一定の形質に関与する遺伝子がすべてホモ接合であり、他の形質が著しい変異を示さない個体からなる系統。自家受精または近親交配を繰り返すことによって作られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

純系
じゅんけい
pure line

遺伝的に均一な個体の総称。染色体の組を2組もつ二倍体生物では、どの1対の染色体も1本の同一の染色体に由来している。自家受精が可能な植物では自家受精によって、自家受精が不可能な植物や動物では近親交配を何代も繰り返すことによって純系を得ることができる。純系のもつ相同な染色体はみな一つの染色体が複製伝達されたものであるから、その上の遺伝子も同一遺伝子に由来している。
 純系に属する個体をホモ接合体といい、1対の同一染色体・遺伝子の組をもつ。また、純系内の個体間にはなんらの遺伝的差異もない。染色体の数が多いと、すべての染色体に対して純系を得ることはむずかしくなる。とくに異系交配をしている生物を急に近親交配させると劣性有害遺伝子の影響が大きく、近交弱勢とよばれる現象が生じ、個体の生存力や稔性(ねんせい)が低下する。そのため系統自体の保持が困難になる。また、交配の回数が多くなると、突然変異の影響も無視できなくなる。したがって、純系ということばは、特定の遺伝子の組や形質についてだけ用いられることがある。遺伝的には純系であっても、表現型には変異がみられることがある。この変異は環境との相互作用の違いによるもので、後代に遺伝・伝達することはない。遺伝的に均一な個体間での表現形質に関する人為選択や自然選択は、後代に遺伝的影響を及ぼさない。純系は新しい品種を養成する育種的な目的や、古典的な遺伝実験には欠かすことはできない。畑尚之]

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世界大百科事典内の純系の言及

【優性】より

…これらの用語は1865年エンドウを用いて遺伝の法則を発見したG.J.メンデルによって最初に用いられた。例えば花の色を支配する対立遺伝子についてそれぞれホモ(同型)なエンドウの赤花と白花の純系を交雑すると,雑種第1代F1(対立遺伝子についてヘテロ)はすべて赤花になり,赤花が白花に対して優性であることがわかる。F1の自家受粉によってできた雑種第2代F2では,赤花と白花のものを生じるが,優性の赤花対劣性の白花は3:1の比率で生じる。…

※「純系」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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