近軸光線(読み)きんじくこうせん(その他表記)paraxial ray

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「近軸光線」の意味・わかりやすい解説

近軸光線
きんじくこうせん
paraxial ray

レンズ球面鏡などの光学結像系で,光軸近くを通り,光軸と小さい角度をなす光線。小さい角度θ (単位ラジアン) とは sin θ≒θ と近似できる程度の微小角をいう。このような光線束に対しては,広義の球面収差は非常に小さくなり,色収差を除いて,結像はほとんど完全であると考えられる。このような系における光学をガウスの幾何光学ともいう。

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世界大百科事典(旧版)内の近軸光線の言及

【レンズ】より

… その後,顕微鏡(ヤンセン父子,H.リッペルヘイ,1590‐1609ころ),望遠鏡(リッペルヘイ,1608ころ),色消しレンズ(J.ドロンド,1758ころ)などの発明を経て,さらに19世紀以降の各種光学ガラスの製造,レンズ設計法の確立とあいまって,現代の複雑で高性能のレンズの出現へと発展してきた。光学
【近軸光線による結像】
 もっとも単純なレンズは,初めに述べた1枚のレンズで単レンズと呼ばれ,眼鏡や虫眼鏡に用いられる。その両球面の曲率中心を結ぶ線は光軸と呼ばれる。…

※「近軸光線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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