光学系の結像に際して生ずる収差の一種。 のように凹面鏡の鏡軸に平行に入射した光線は、鏡面の大きさが大きいときには1点に集まらない。鏡の縁のほうに入射した光線は、反射後、鏡の中心部に入射した光線よりも鏡に近いところで鏡軸と交わる。この現象を球面鏡の球面収差という。球面ではなく回転放物面の鏡では、鏡軸に平行な光線は完全に1点に集まる。そのため天体反射望遠鏡には回転放物面が用いられる。近軸光線が鏡軸上に生ずる像点を近軸像点という。近軸像点から、鏡の縁に入射した光線と鏡軸との交点までの距離を、縦(たて)方向球面収差量という。縦方向球面収差は、光線の入射点の鏡軸からの距離の2乗に比例して増大する。したがって、光学系を絞ると球面収差を小さくすることができる。凹面鏡の球面収差とコマ収差を除去する方法として、球面の曲率中心にシュミットの補正板を置く。この方法を応用した、広角で明るい天体望遠カメラのことをシュミット・カメラという。
[三宅和夫]
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[ザイデルの5収差]
ドイツのザイデルLudwig Philipp von Seidel(1821‐96)は,単色光に対して,共軸球面系(各屈折面の曲率中心が一直線上に並んだ光学系)の光軸のまわりの対称性から収差を5種類に分類した。すなわち球面収差,コマ収差,像面湾曲,非点収差,および歪曲であり,これらをザイデルの5収差という(この五つを広義の球面収差と呼ぶ場合もある)。彼はスネルの法則を入射角xに関する三次までの近似式,sinx=x-x3/6で展開して,各収差の特徴を論じた。…
※「球面収差」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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