色収差(読み)いろしゅうさ

  • chromatic aberration
  • いろしゅうさ ‥シウサ
  • いろしゅうさ〔シウサ〕
  • 色収差 chromatic aberration

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

レンズで集光すると、実際には、異なる波長の光は、屈折率の違いから異なる距離焦点を結ぶので、色がにじんだり、中央部と周辺部で倍率が異なって結像する。カメラレンズでは、さまざまな凹凸のレンズや、素材を変える工夫で色収差を補正しているが、完全に色収差を抑えることは難しい。焦点距離の長いレンズでは色収差が出やすいほか、高価なレンズでも、特定の条件化で色収差が顕著に出る場合もある。

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百科事典マイペディアの解説

レンズを通して物体の像を結ばせるとき,光の波長(色)によってガラスの屈折率が違うため,色によって像の位置や大きさが異なること。このため,一点もしくは一平面に像を結ばず,像は色がにじんだり,ふちどりが生じる。光学器械の精度に悪影響を与える。色収差を除いたレンズが色消しレンズ
→関連項目球面収差屈折望遠鏡収差

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世界大百科事典 第2版の解説

レンズを構成する光学材料の屈折率は光の波長により異なる。このため,像点の位置が波長によってずれて色のにじんだ像になったり,波長により焦点距離(したがって像倍率)が変わるために,像面上周辺にいくにしたがって像位置がずれ色のふちどりが生ずる。この現象を色収差といい,前者を縦の色収差,後者を横の色収差と呼ぶ。色収差は屈折率とその波長依存性(光の分散と呼ばれ可視光ではアッベ数で表されることが多い)の異なる種々の光学材料を組み合わせる複合レンズを作ることによって補正でき,このようなレンズを色消しレンズという。

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大辞林 第三版の解説

レンズを通して物体の像をつくるとき、光の色によって屈折率が異なるため像のできる位置と倍率が異なること。そのために像がぼやけたり縁が色づいたりする。光学器機では屈折率の異なるレンズを二種以上用いて、これを補正する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

光学結像系においてガラスの屈折率が,波長 (色) により変化する (分散) ことによって起る収差。色収差により,白色光を入射させると像が色づいてにじんで見える。色収差には像点の位置が光軸方向でずれる軸上色収差と,像の大きさがずれる倍率色収差がある。色収差を補正したレンズを色消しレンズという。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

レンズによって生ずる像の位置や大きさが光の波長によって異なること。プリズムに太陽からの光を当てると、プリズムを通過したあとは、虹(にじ)のようなスペクトルに分かれる。これは、プリズムが、光を屈折させる程度が光の波長によって異なるために生ずる。光の屈折を利用して物体の像を生ずるレンズでも、屈折率が光の波長によって変化するため、白色光のように多くの波長の光からなる光を使用すると、像のできる位置や大きさが波長によって変化する。このように、異なる波長の光を使用したとき生ずる像の収差のことを色収差という。光の反射を利用する鏡では色収差は生じない。色収差を補正することを色消し、色収差を補正したレンズのことを色消しレンズという。写真印刷などの原版をつくる複写用レンズや高倍率の顕微鏡対物レンズは、よく色収差を補正する必要がある。[三宅和夫]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 レンズなどで物体の像を結ばせるとき、結ぶ像の位置が、物体から出る光の色によって変わる現象。レンズに対する屈折率がそれぞれの物体の光の波長によって違うために起こる。〔現代術語辞典(1931)〕

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世界大百科事典内の色収差の言及

【レンズ】より


【収差とレンズ設計】
 屈折率の波長依存性すなわち分散により,近軸像点の位置や横倍率に波長による差を生じ,像がぼけたり色づいたりする。これを色収差という。焦点の位置による色収差を縦の色収差,焦点距離の差による倍率の色収差を横の色収差という。…

※「色収差」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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