近銀点(読み)きんぎんてん(その他表記)perigalacticum

改訂新版 世界大百科事典 「近銀点」の意味・わかりやすい解説

近銀点 (きんぎんてん)
perigalacticum

遠銀点の対。個々天体が銀河系内で軌道運動をする際に到達しうる銀河中心にもっとも近い点。銀河系内には物質が広がって分布しているため,その重力場での軌道は,一般には閉じないで,銀河中心を囲むドーナツ状の領域内を埋めるようにずれていく。したがって,近銀点は1点とは限らない。銀河中心の近くでは物質の集中度が高いので,近銀点距離が小さいと,星団のような天体は,潮汐力によってしだいに破壊される。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「近銀点」の意味・わかりやすい解説

近銀点【きんぎんてん】

銀河系内で天体が軌道運動をする際に到達しうる,銀河系中心からの最小距離。一般に銀河系内では軌道運動は閉じた形にならず,銀河中心を取り囲むドーナツ状の領域内を埋めるようにずれていくので,近銀点は1点とは限らない。→遠銀点

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android