退屈読本(読み)たいくつどくほん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「退屈読本」の意味・わかりやすい解説

退屈読本
たいくつどくほん

佐藤春夫の随筆評論集。1926年(大正15)11月、新潮社刊。なにげない短文のなかで自己を語るもの、おりに触れての文学や美術への発言、『秋風一夕話(いっせきわ)』『「風流」論』のような本格的評論、『吾(わ)が回想する大杉栄』のような卓抜な人物論など、著者の幅広い感性をみごとに示す。1915年以降の108編の文章を収録。大正という多彩な文学的時代を反映した自由な構成と内容、その巧みな話術のなかに、「退屈」とは逆の無類の感興がうかがえる、大正を代表する評論集である。

[中島国彦]

『『退屈読本』上下(冨山房百科文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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