通者(読み)とおりもの

精選版 日本国語大辞典 「通者」の意味・読み・例文・類語

とおり‐ものとほり‥【通者】

  1. 〘 名詞 〙
  2. その名が広く世間に知れ渡っている人。名の通った人。
    1. [初出の実例]「そちはとをりものさうなれば、若都へのぼりし時必尋てきたれ」(出典:浄瑠璃・暦(1685)二)
  3. 世情・人情の機微に通じた人。野暮でない人。粋な人。つうじん。
    1. [初出の実例]「目もときよらにてほのかにかへりみる時は いかなるとをりものもさつきやみのそらにあくがれ」(出典:評判記・剥野老(1662)山本勘太郎)
  4. 長年その道で苦労した人。老巧な人。
    1. [初出の実例]「八めはすねんのとをり者」(出典:浄瑠璃・丹波与作待夜の小室節(1707頃)中)
  5. 義侠任侠をたてまえとしている者。侠客。
    1. [初出の実例]「亭主もとをり者、金銀あれば爰へはくだられぬはづなり」(出典:浮世草子・本朝二十不孝(1686)五)
  6. 博打(ばくち)うち。また、その親分
    1. [初出の実例]「博奕打のとをり者など云者あり」(出典:太平策(1719‐22))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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