親分(読み)おやぶん

精選版 日本国語大辞典「親分」の解説

おや‐ぶん【親分】

〘名〙
① 成人、縁談奉公などの時に取り結ぶ、仮の親子関係の親。仮親。親がわり。⇔子分
※俳諧・天満千句(1676)九「慈悲心上より下るけふの月〈未学〉 先雨露を親分にして〈宗恭〉」
※松翁道話(1814‐46)下「私は〈略〉捨子で御ざります。則ち其時御町内が親分に成って」
かしらとして上に立て、皆が親のように頼りにする人。
浄瑠璃伊賀越道中双六(1783)五「親分の五右衛門様、どの様な誤りしたぞ」
③ 侠客(きょうかく)博徒首領。また、威勢のよい男を呼ぶのに用いる語。親方。⇔子分
※雑俳・柳多留‐一(1765)「親分と見へてへっつい惣かな具」
同類の中で大型の物品を擬人的にいう。親玉。
※歌舞伎・歳市廓討入(1863)「木槌(さいづち)の親分(オヤブン)でござりますね」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉「親分」の解説

おや‐ぶん【親分】

侠客きょうかく・ばくち打ちなどの仲間で、かしらとして頂く人。「親分子分の杯を交わす」⇔子分
仮に親と決めて、頼りにする人。仮親。⇔子分
「伯母婿ながらそなたの―」〈浄・宵庚申〉
[アクセント]1ヤブン(オブン)、2はオヤブン
[類語]ちょうおさかしらトップ大将主将闇将軍親方親玉棟梁首領頭目ボスドン

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の親分の言及

【親分・子分】より

…日本の古代社会では政治的,宗教的,社会的な意味で,ウジ()やウジ連合共通の祖霊としてまつられたミオヤには御祖と当て字されもした。近世,近代にわたる日本の社会で,オヤとコという民俗語の示す生活組織は実に多様であって,漢字でそれに当てた親子という関係と,その擬制としての親分・子分として解するだけでは,近世日本の儒教や近代日本の政治イデオロギーないし欧米理論中心主義の学界風潮に毒されない,より深い日本文化=社会の実証的研究は達成されない。この観点が,柳田国男や有賀喜左衛門の,創造性に富んだ学風による多大な研究成果を生んだ。…

【やくざ】より

…これらはいずれも稼業を異にするが,最近では,相互の境界がくずれて,一家や組の組織をもつ暴力団もやくざと総称されている。 一般にやくざの組織の中心的な絆(きずな)は,親分,子分,兄弟分の関係であり,とりわけ親分の支配に対する子分の絶対服従がその団体の団結の強さを示すものとされている。また何々一家と称する一家を基本単位としている。…

※「親分」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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