内科学 第10版 「造影剤腎障害」の解説
造影剤腎障害(急性腎障害・急性腎臓病(急性腎不全))
造影剤によるAKIの頻度は高く,危険因子を持つ患者への造影剤の投与には注意が必要である.腎機能がもともと正常な患者ではCI-AKIの頻度は1~2%と低値である.しかし,腎機能が低下している患者やCKDに糖尿病や心不全を合併している患者,高齢者,腎障害の可能性がある薬剤投与中の患者ではCI-AKIの頻度は25%と上昇する.CI-AKIを発症した患者の予後は悪く,死亡や入院期間の増加が報告されている.特に冠動脈インターベンションでCI-AKIを起こすと心血管死の頻度が増加する.造影剤腎症ではN-アセチル-l-システイン(ムコフィリン)が有効との報告がある.[飯野靖彦]
■文献
KDIGO Clinical Practice Guideline for AKI: Kidney Int, Suppl. 2:1-115, 2012.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報