造血組織(読み)ぞうけつそしき

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

造血組織
ぞうけつそしき

血球をつくる組織。哺乳(ほにゅう)類と鳥類の成体では赤色骨髄およびリンパ組織で血球がつくられるが、胚(はい)期にはまず卵黄嚢(らんおうのう)が、ついで肝臓、脾臓(ひぞう)、骨髄が造血作用をもつ。鳥類の総排出腔(こう)につながるファブリキウス嚢も雛(ひな)の時期にはリンパ球の産生に関与するといわれる。爬虫(はちゅう)類、有尾両生類、魚類などの下等脊椎(せきつい)動物では成体の脾臓が造血組織として機能する。これらの造血組織では、胚期に生じた血球原細胞が網状結合組織内に定着し、血球芽細胞となり、その後多くの段階を経て最終的に赤血球および白血球に分化する。

 無脊椎動物の血球は主として白血球型の顆粒(かりゅう)細胞である。これらの血球の起源には不明の点も多いが、環形動物の食道背部には血液腺(せん)という造血組織があり、節足動物のアルテミアでは肢(あし)基部に造血組織があり、血球が小結節をなす。ホヤ類では消化管結合組織中に造血組織がみられる。軟体動物など、血液中で未分化細胞から成熟血球が生じる例もある。

[八杉貞雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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