連鎖爆発(読み)レンサバクハツ

化学辞典 第2版 「連鎖爆発」の解説

連鎖爆発
レンサバクハツ
chain explosion

OH,O,Hなどの活性ラジカルや,原子の生成速度と破壊速度の釣合いの基礎に立って可燃性混合気の発火を論じる考え方を,連鎖爆発または連鎖発火という.熱爆発に対応する用語で,熱爆発がエネルギーバランスを中心に考えるのに対し,連鎖爆発は物質濃度を問題にするところが異なる.したがって,この場合,発火の条件は,反応にあずかる支配的な活性化学種(連鎖伝達体)の生成速度が容器の器壁やほかの化学種との衝突による消滅速度を上まわることにより与えられ,限界は両者が等しい場合にあたる.連鎖にあずかる活性化学種の種類は反応によりかわるが,その数の増加は分岐する素反応が含まれるほど大きいので,多くの場合,発火は分岐連鎖反応となる([別用語参照]連鎖分岐).連鎖発火は,反応の過程と密接に結びついているため,発火に対する促進や抑制をよく説明するが,定量化のためには等温系を仮定しないと難しい.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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