日本大百科全書(ニッポニカ) 「達州」の意味・わかりやすい解説
達州
たつしゅう / ターチョウ
中国、四川(しせん)省北東部の地級市。嘉陵江(かりょうこう)支流の渠江(きょこう)水系流域に位置する。2市轄区、4県を管轄し、1県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口688万1000(2014)。唐代までは通州と称したが、宋(そう)代に北の陝西(せんせい)地方や東の湖北(こほく)地方などへ道が「四通八達」していることから達州と名づけられた。1976年、達県の県城地区を分けて達県市が置かれた。1993年達川(たつせん)市となり、1999年に達川地区と達川市が合併して地級市の達州市となった。
今日でも、襄渝(じょうゆ)線のほか湖北地方や陝西省西安(せいあん)への自動車道沿線の交通要地で、周辺の農産物の集散地である。市街近郊に達州河市空港があり、2018年には市区部に建設中の新空港に移転される予定。また、国内最大級の天然ガス資源を有しており、2010年に中央政府がスタートさせた「川気東送」(四川省の天然ガスを東部沿海部に輸送する)プロジェクトの起点にもなっている。
[小野菊雄・編集部 2017年8月21日]