遠敷市庭(読み)おにゆういちば

日本歴史地名大系 「遠敷市庭」の解説

遠敷市庭
おにゆういちば

[現在地名]小浜市遠敷

所在地は、若狭姫わかさひめ神社の正面、丹後街道に接する現字市場丁いちばちように比定される。「若狭国税所今富名領主代々次第」は応永一四年(一四〇七)のこととして「同十月十四日より遠敷市立はしむ」と記すが、市庭については、すでに太良たら庄の相論にかかわる寛元元年(一二四三)一一月二五日付六波羅裁許状(東寺百合文書)に「右、於市庭令求銭廿文之故云々、縦雖為実犯、已為少事、可糺返銭焉」とある。

建武元年(一三三四)一一月二七日付若狭太良荘雑掌申状并悪党人贓物注文案(同文書)には「翌日廿七日為遠敷市日之間、当庄新検校并孫次郎以下百姓等、為売買立出彼市之処、伺此折、差遣件日野兵衛以下大勢於彼市庭、奪取新検校事之間、往行市人等驚耳目之者也」と記され、七の日に開く定期市であったこと、多くの市人が往来したことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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