(読み)とん

精選版 日本国語大辞典 「遯」の意味・読み・例文・類語

とん【遯】

  1. 〘 名詞 〙 易の六十四卦一つ、上卦は乾(天)、下卦は艮(山)。天山遯。二陰が下に生じて四陽が逃れ隠れようとするさま。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「遯」の読み・字形・画数・意味


15画

(異体字)
13画

[字音] トン
[字訓] のがれる・しりぞく

[説文解字]

[字形] 形声
声符は豚(とん)。〔説文〕二下に「(のが)るるなり」、〔広雅、釈詁二〕に「去るなり」とあって、と声義同じ。〔易、遯〕の爻辞に「嘉(よ)く遯る」「肥(ゆた)かに遯る」とあり、また「遯の時義、大なる哉(かな)」という。

[訓義]
1. のがれる、さける。
2. しりぞく、ゆずる。
3. あざむく。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕遯 ホカフ・ハビコル・ヨシ・カクル・マヌガル・カヘル・ノガル・スグル・マフ・ハシル・トホシ・ニグ・ワカル・シリゾク・サル

[語系]
遯・dunは同声同義。は盾を以て防ぎながら退く意で、遯はその形声字であろう。sunも声義近く、同系の語であろう。語彙字条参照。

[熟語]
遯隠遯辞遯心遯世遯楽
[下接語]
隠遯・嘉遯・高遯・逡遯・宵遯・逃遯・肥遯・勉遯・幽遯・遥遯・乱遯・流遯

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