朝日日本歴史人物事典 「都藍尼」の解説
都藍尼
中世霊山の女人禁制伝承とともに登場する女性。仏法の修行に励んで長寿を得,吉野山の麓に住んだ。女人禁制の金峯山によじ登ろうとしたが,雷電などの天変地異を被り,ついに登ることが叶わなかったという。同様の話は比叡山などにも伝わる。<参考文献>阿部泰郎「女人禁制と推参」(大隅和雄・西口順子編『シリーズ女性と仏教4 巫と女神』)
(細川涼一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
(細川涼一)
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…伝説としては,兄弟を弔って諸国を廻国して没した虎御前をまつったとする虎石も多く,福島県から鹿児島県にまで分布している。また虎石,虎ヶ塚,虎石塚と称されるものの中には大磯の虎や曾我兄弟と無関係なものがあり,《本朝神仙伝》や《元亨釈書》には聖山の禁を犯して吉野山に登ろうとした都藍尼(とらんに)の伝説を伝え,高野山,立山,白山にも同様な都藍尼の登山の伝説があることからすると,虎石,虎ヶ塚などの遺跡は,本来,トラ,トラン,トウロなどと称された廻国の巫女の足跡ではなかったかと考えられている。虎御前の名は,このような廻国の巫女の系統を引く盲御前の名で,中世には箱根山を根拠地として,その信仰や物語を唱導する熊野比丘尼系の盲御前の名称となり,農村生活に深い関係のある悪霊鎮圧の物語を語りつつ廻国を続けたものと考えられる。…
…修行の霊場とされる各地の山岳では,女人堂(によにんどう)が設置され,それより奥への女人の立入りを禁止してきた。このことは大峰の都藍尼(とらんに),白山の融の姥(とおるのうば),立山の止宇呂(とうろ)に代表されるように,禁制を犯して立ち入ろうとした女性が石と化した伝説(老女化石譚)を生みだし,また高野山の石童丸(いしどうまる)の伝説はよく知られたものとなっている。しかし,女人禁制を示す女人堂や姥石,比丘尼石などが山岳の中腹以下に設けられていることから,女人禁制ではなくむしろ足腰の弱い女性を誘致するために設けられたものであろうとする見解もある。…
…深大寺の開山にまつわる伝説では,満功上人の祖母の名として虎という女性があらわれる。曾我十郎の愛人の大磯の虎(虎御前)や吉野山や立山の都藍尼(とらんに)の伝説を考え合わせると,この虎も巫女的な女性ではなかったかと思われる。すなわち,満功上人と虎との間には高僧・神童とその母,神とその育ての母の巫女といった関係があったものと思われる。…
※「都藍尼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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