鄭大威(読み)てい・たいい

朝日日本歴史人物事典 「鄭大威」の解説

鄭大威

生年生没年不詳
江戸中期,来日した安南(ベトナム)の貿易商人。享保13(1728)年6月,ベトナムのハイフォン(広南)付近より日本(長崎)に雄,雌の象2頭を舶来した。そのうち,雌1頭は,同年9月長崎で死亡。翌年3月,雄1頭が,将軍徳川吉宗上覧のため江戸へ出立。途中京都での中御門天皇,霊元上皇への天覧に際し,この象は「従四位南白象」の位を授かった。同年5月,江戸城で吉宗が上覧。その後,この象は,四谷中野村の農民源助に預けられたが,寛保2(1742)年12月21歳で病死した。鄭はベトナム方面と日本との貿易に従事していた。<参考文献>大庭脩江戸時代の日中秘話』

(岩崎義則)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「鄭大威」の解説

鄭大威 てい-たいい

?-? 安南(ベトナム)の貿易商。
享保(きょうほう)13年(1728)徳川吉宗の注文で雄,雌2頭の象を長崎にはこぶ。雌は同年死亡するが,翌年雄は江戸へはこばれる。この象は途中従四位をさずけられて宮中に参内し,中御門(なかみかど)天皇,霊元上皇に拝謁。江戸では待ちかねていた吉宗をよろこばせた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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