酒巻村(読み)さかまきむら

日本歴史地名大系 「酒巻村」の解説

酒巻村
さかまきむら

[現在地名]行田市酒巻

北は利根川ふく川の合流点にあたり、東は斎条さいじよう村・下中条しもちゆうじよう村に接し、南は南河原みなみがわら犬塚いぬづか(現南河原村)両村に続く。この地域は関東造盆運動による地盤沈下がひどく、利根川氾濫による堆積作用とあいまって、水田下に二〇基に及ぶ古墳が確認され、酒巻古墳群と称される。天正一〇年(一五八二)の成田家分限帳に譜代侍酒巻靱負(永五〇〇貫文)ほか二名の酒巻姓の武士の名が載っている。同一三年、北条家が長尾顕長に発給した正月一四日の印判状(長尾文書)に「さかまき」とみえ、対岸上野国赤岩あかいわ(現群馬県千代田町)との間に渡船があった。古代には幡羅はら郡に含まれたとする説もある。

天正一九年六月松平家忠が一万石を宛行われたが、このうちに「酒牧之郷」内の六八一石余が含まれた(「伊奈忠次知行書立」長崎県片山家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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