酒造米(読み)しゅぞうまい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「酒造米」の意味・わかりやすい解説

酒造米
しゅぞうまい

清酒(日本酒)の醸造に用いられる米。酒米(さかまい)ともいう。酒造りに用いる米は、米麹(こめこうじ)の製造に用いるもと米と、発酵原料となるかけ米がある。原理的にはどんな米でも清酒醸造の原料米に使用可能である。しかし、酒造米、とくにもと米は普通の飯米(90~92%白米)よりさらに精白の進んだもの(80%以下、ときには50~60%)を用いる。したがって精白しても砕けにくく、また麹菌のはぜ込(こみ)のよいものが酒造好適米(醸造用もと米)として特定されている。これらは一般に大粒で、米粒腹部に心白(しんぱく)の多い品種群である。また炊飯後アルコールで急速脱水して製造したα米(アルファまい)が酒造米として一部用いられている。

[不破英次]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の酒造米の言及

【米】より

…現在市場に流通している玄米の水分は,検査で一般にはその最高限度を15.0%としているが,北陸,山陰の米については0.5%,東北,北海道の米では1.0%,最高限度をあげており,軟質米についてはそれだけ水分の多いものが流通していることになる。また軟質米という言葉は清酒の原料になる酒造米でも使われているが,これは飯用の米とは違って,吸水が速く,こうじ菌のくい込みがよく,もろみで溶けやすい米を指しており,酒造米としては軟質であることがよい米の条件になっている。(5)早期栽培米 東海地方以西の西南暖地,とくに中国,四国,九州地方において,東北,北陸地方の早生の稲を植え付けて,8月中に収穫する栽培法が1955年ころから普及した。…

※「酒造米」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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