酸素同位体地質温度計(読み)さんそどういたいちしつおんどけい

最新 地学事典 「酸素同位体地質温度計」の解説

さんそどういたいちしつおんどけい
酸素同位体地質温度計

oxygen isotope geothermometry

対象とする物質間の酸素の安定同位体組成の差異から地質現象の温度を推定する方法。H.C.Urey(1947)により,18Oと16Oとの分配が温度に依存することが理論的に明らかにされて以来,古海水温の推定や鉱化・変質・変成作用等の温度の見積りに用いられている。物質X, Y間の同位体分別係数αは,α=(18O/16O)X/(18O/16O)Yで与えられるが,一般には同位体交換反応による体積変化は無視できるため,αは温度によってのみ決まる。したがって物質X, Yの酸素同位体比がわかれば温度を推定することができる。通常lnαは1/T2(Tは絶対温度)の一次関数として与えられ,代表的な鉱物や流体間の温度依存性は理論的・実験的に求められている。また,酸素の安定同位体組成はふつう標準平均海水(SMOW)を標準物質として,δ(‰)={(18O/16O)sample/(18O/16O)SMOW-1}×1,000として表すことから,このδ値を用いると,αは十分に1に近いことから,1,000×lnα=δX-δYとなる。この温度計は原理的には,海水温度からグラニュライト相に至る広い温度領域を測定対象とし,また固相間および固相-流体相間のいずれの場合についても適応することができる。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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