最新 地学事典 「酸素同位体比」の解説
さんそどういたいひ
酸素同位体比
oxygen isotope ratio
酸素の安定同位体16O・17O・18Oの存在比。一般に,存在量の最も大きい同位体16O(99.76%)に対する他の同位体(17O=0.04%,18O=0.20%)の存在比,17O/16O, 18O/16Oで表す。自然界では,蒸発・沈殿・拡散・結晶作用等に伴う同位体分別作用により,18O/16O比にして最大10%程度の変動を生ずる。その場合,17O/16O比の分別は18O/16O比の分別の1/2乗に比例するので,地球科学分野で酸素同位体比といえば一般には18O/16O比を指す。しかし,太陽系の始原物質を含む隕石では,超新星の元素生成過程の初期に形成された,17Oを欠く酸素が含まれることが知られていて,その酸素同位体比は,質量依存の同位体分別からはずれた変動を示す。なお,水の酸素同位体比を示す場合は,標準平均海水(VSMOW)の同位体比に対する千分率偏差のδ値が一般的に用いられている。
執筆者:松久 幸敬・藪崎 志穂
参照項目:δ値
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

