最新 地学事典 「グラニュライト相」の解説
グラニュライトそう
グラニュライト相
granulite facies
角閃岩相よりも高温で輝石ホルンフェルス相よりも高圧の変成相。白粒岩相とも。さらに高圧ではエクロジャイト相となる。P.Eskola(1929)提唱。典型的なグラニュライト相は角閃石や雲母のような含水鉱物を欠き,比較的パイロープ成分に富むざくろ石や直方輝石の出現が特徴。苦鉄質岩では温度上昇過程で角閃岩中のホルンブレンドが分解して直方輝石・単斜輝石・斜長石になるが,角閃岩相とは漸移的である。ホルンブレンドの分解は,全岩化学組成などさまざまな要因により広範な温度範囲をもつ。したがって直方輝石が出現しはじめるところをもってグラニュライト相の始まりとしているが,低温のグラニュライト相(角閃石グラニュライト亜相)では,直方輝石は一般にホルンブレンドと平衡に共存する。さらに高温では無水鉱物だけからなる輝石グラニュライト亜相となる。泥質岩では,白雲母は安定に存在せず,黒雲母も分解して直方輝石・アルカリ長石・ざくろ石・菫青石が形成される。アルミノ珪酸塩鉱物は一般に珪線石である。このようなグラニュライト相変成岩を形成する脱水反応は,温度上昇のほか,H2Oの活動度の低下でも説明される。インドや南極などの高温・高圧のグラニュライト地域では,サフィリン+石英,直方輝石+珪線石+石英などの鉱物共生や大隅石の出現が特徴的。苦鉄質岩・泥質岩ともに,グラニュライト相では部分溶融する可能性が高い。この相の岩石は,先カンブリア時代の古い造山帯の中心部に広い面積を占めて分布していることが多いが,顕生代の造山帯の特に高温変成域にも多産する。インド半島,アフリカ,南極大陸,オーストラリア,グリーンランドなどに産するチャーノッカイトもこの変成相に属する。日本では日高変成帯,阿武隈変成帯,黒瀬川帯,肥後変成帯などに分布が知られており,飛驒変成帯や領家変成帯でも出現する可能性が指摘されている。また,二上山や雨滝山などの新生代火山岩中の捕獲岩としても多数出現する。
執筆者:端山 好和・小山内 康人
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

