采石磯(読み)さいせきき(その他表記)Cai-shi-ji; Ts`ai-shih-chi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「采石磯」の意味・わかりやすい解説

采石磯
さいせきき
Cai-shi-ji; Ts`ai-shih-chi

中国,安徽省東部の揚子江右岸,南京南西約 50kmにある小邑。古く採石場だったのでこの名が生じた。牛渚山の北にあたり,その先端が揚子江に突出している。北に南京,南に蕪湖 (ぶこ) を控え,対岸に和州を望む要地のため,隋は赭圻 (しゃき) 鎮をおき,唐は采石戍と改め,宋は采石鎮とし,以後も巡司や税務がおかれた。紹興 31 (1161) 年,金の海陵王の軍を宋将虞允文 (ぐいんぶん) が防御し破り,明の朱元璋 (→洪武帝 ) が元軍を破った古戦場でもある。

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世界大百科事典(旧版)内の采石磯の言及

【馬鞍山】より

…市の南西,翠螺山が長江に没する地点は急崖をなし,古くから長江を扼(やく)する要衝の一つであった。かつて金牛が渚岸より出現したため牛渚磯,また五彩の石を産するところから采石磯と呼ばれ,南京の燕子磯,湖南岳陽の城陵磯と並んで長江三磯と称される名勝である。唐の李白は晩年ここに暮らし,船中で水に映る月をとらえようとして溺死したと伝えられ,それを記念した太白楼,捉月台などがある。…

※「采石磯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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