釈堂ヶ谷(読み)しやかどうがやつ

日本歴史地名大系 「釈堂ヶ谷」の解説

堂ヶ谷
しやかどうがやつ

[現在地名]鎌倉市浄明寺

釈迦堂ともいう。なめり川左岸、杉本すぎもと寺の南、犬懸いぬかけヶ谷と大御堂おおみどうヶ谷とに挟まれた谷。中央を釈迦堂川が北流し滑川に注ぐ。「金兼藁」に「此谷極曠遠、按、昔者必可有仏堂・楼観・第宅・園囿等」とあるように、「吾妻鏡」嘉禄元年(一二二五)六月一三日条に記す北条泰時が父義時の一周忌供養のために建立した釈迦堂(大倉御堂)にちなむ谷名である。釈迦堂は室町中期頃まで存在したらしいが、その後廃絶し、本尊釈迦如来像は一時杉本寺に安置されていた(風土記稿)。現在、東京都目黒区の大円だいえん寺にある国指定重要文化財の清凉寺式釈迦如来像は、胎内納置品により、釈迦堂の本尊であることが判明している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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