釈迦族(読み)しゃかぞく(その他表記)Śākya

改訂新版 世界大百科事典 「釈迦族」の意味・わかりやすい解説

釈迦族 (しゃかぞく)
Śākya

釈迦が出たことで知られる古代北インドの部族。インドではシャーキャ族といわれる。伝説ではアーリヤ人のクシャトリヤ王統に属するといわれるが,チベット・ビルマ系などとみる史家もある。前6~前5世紀ごろ,カピラバストゥに都を置き,ヒマラヤ山麓のインド・ネパール国境地帯に拠っていた。いわゆる〈部族共和制(サンガ)〉の政治組織をもち,首長と部族民の代表が集会堂に集まって政策を決定した。西隣のコーサラ王国に服属していたが,釈迦の晩年ごろこの強国に滅ぼされた。伝説によると,コーサラ王プラセーナジットが釈迦族の娘を妃に迎えようとしたところ,高慢な釈迦族は奴隷女から生まれた娘を偽り与えた。その妃から生まれたビドゥーダバは,これを恨み,即位後カピラバストゥを攻め釈迦族を全滅させたという。釈迦の高弟のなかには釈迦族出身者が多い。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「釈迦族」の解説

シャカ族
シャカぞく

サカ族

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android