恨み(読み)ウラミ

デジタル大辞泉 「恨み」の意味・読み・例文・類語

うらみ【恨み/怨み/憾み】

他からの仕打ちを不満に思って憤り憎む気持ち。怨恨えんこん。「あいつには―がある」「―を晴らす」
(憾み)他と比べて不満に思われる点。もの足りなく感じること。「技巧に走りすぎた―がある」
残念に思う気持ち。心残り。未練。「―の雨」「あの結果を―に思う」
悲しみ。嘆き。
「行く者の悲しみ、残る者の―」〈奥の細道
[類語](1怨恨えんこん怨嗟えんさ意趣私怨しえん遺恨いこん怨念おんねん宿意宿怨しゅくえん宿恨積怨せきえん旧怨きゅうえんあだ憎しみ復讐心ふくしゅうしん逆恨み恨めしい恨みつらみ片恨み恨みがましい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「恨み」の意味・読み・例文・類語

うらみ【恨・怨・憾】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「うらむ(恨)」の連用形の名詞化 )
  2. 自分に対してひどいことをした人を憎むこと。また、自分の境遇などに対する憤り、反発する気持。
    1. [初出の実例]「父王の怨(うらみ)を其の霊に報いむと欲(おも)ほすは」(出典古事記(712)下)
  3. 物事の状態がよくないことを残念だと思う気持。不平不満。また、ぐち。不平の訴え。
    1. [初出の実例]「須臾覚寤有於懐、因作恨之歌」(出典:万葉集(8C後)一七・四〇一五・左注)
  4. 好ましくない状態に置かれて感じる悲しみ。嘆き。
    1. [初出の実例]「楊妓が路に泣て騒人の恨をいだきけんも」(出典:海道記(1223頃)萱津より矢矧)
  5. ( の意から、詩的表現として ) 悲しみをさそうような虫の声。
    1. [初出の実例]「鹿の音かすかにおとづれて、虫の恨もたえだえなり」(出典:平家物語(13C前)灌頂)
  6. 仕返しをすること。復讐(ふくしゅう)
    1. [初出の実例]「西国にて滅びし平家の一門〈略〉かかる時節を窺ひて、恨みをなすも理(ことわり)なり」(出典:謡曲・舟弁慶(1516頃))
  7. ( の意から ) 好ましくない物事の状態。気に入らない事態。不満な点。
    1. [初出の実例]「コレてめへ指の輪はうらみだぜ」(出典:洒落本・仕懸文庫(1791)四)

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