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重債務貧困国 じゅうさいむひんこんこくHeavily Indebted Poor Countries

知恵蔵の解説

重債務貧困国

債務危機に直面している後発発展途上国(LDC)。IMFと世界銀行によって、債務救済の対象国として41カ国が認定されている(2007年6月末現在)。HIPC貧困緩和戦略(PRS)報告書を提出し、それに基づく経済運営を1年間行った後でも、累積債務の対輸出比率が150%以上、または対歳入比率が250%以上に達している場合に、当該国の債務が削減される。IMFや世界銀行などの国際機関が各自の信託基金からの贈与、パリクラブが政府開発援助(ODA)による債務の帳消し、民間の商業銀行が債務の繰り延べなどを行う。救済措置が開始された1996年以降、31カ国のHIPC(うち25カ国はアフリカ諸国)に対して、総額690億ドルの救済が実行されてきた(2006年末現在)。その結果、これらの諸国の債務総額はおよそ3分の1にまで削減され、またデット・サービス・レシオ(DSR)は、1999〜2005年にかけて、14.9%から6.5%に好転した(統計が判明する27カ国の加重平均値)。

(室井義雄 専修大学教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

重債務貧困国
じゅうさいむひんこんこく
Heavily Indebted Poor Countries

返済可能性の低い多大な累積債務のため、貧困に苦しんでいる国のこと。略称HIPC。国際通貨基金(IMF)と世界銀行は、1993年時点の1人当り国民総生産(GNP)が695ドル以下、債務の合計額がGNPの80%以上をHIPCの基準としている。具体的にはボリビア、ガイアナ、モザンビーク、ウガンダ、ブルキナ・ファソ、コートジボワール、マリ、ギニア・ビサウ、エチオピア、モーリタニアなど39か国(2014年12月時点)。貧困の原因となる債務問題は人道上の問題であるとの認識に基づいて、IMFと世界銀行とが中心となって債務救済措置を講じている。1999年6月のケルン・サミット(先進国首脳会議)ではHIPC救済のための債務削減が検討され、最大700億ドルの債務削減が決定された(2014年12月時点で債務の削減対象は36か国)。また2005年7月のグレンイーグルズ・サミットでは、IMF、国際開発協会(IDA)、アフリカ開発基金(ADF)に対するHIPCの債務を全額免除すると決定している。[長澤孝昭]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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