重焼(読み)かさねやき

精選版 日本国語大辞典 「重焼」の意味・読み・例文・類語

かさね‐やき【重焼】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 焼物を焼く際の方法の一つ。窯詰(かまづ)め方法の発達していなかった頃、器を幾重にも積み重ねて焼くこと。この焼き方は器の接する部分の釉(うわぐすり)を欠いている。
    1. [初出の実例]「尻の形付ていやしき重ね焼」(出典:雑俳・蝉の下(1751))
  3. ( [英語] double print の訳語 ) 写真で、二枚以上の陰画を焼きつけて、一枚の印画を作ること。また、その印画。二重焼き付け。比喩的にも用いる。
    1. [初出の実例]「どんな意味でもフローベル自身の伝記を、『ボヴァリー夫人』一篇の上に重ね焼きすることは不可能だからである」(出典:私小説の系譜(1948)〈中野好夫〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android