国指定史跡ガイド 「野村一里塚」の解説
のむらいちりづか【野村一里塚】
三重県亀山市野村町にある一里塚。亀山城の西方、市内野村町の西はずれに位置し、1604年(慶長9)に徳川家康が2代将軍徳川秀忠に五街道の1里(約4km)ごとに築くよう命じ、亀山城主の関一政(せきかずまさ)が築造した東海道一里塚の一つ。県内12ヵ所の一里塚のなかで唯一、昔ながらの原形を保ち、江戸日本橋から106里12町、京三条大橋から17里32町の距離にある。そもそもは道の両側に塚があり、1711年(正徳1)の『東海道分間絵図』によると南側の塚は榎3本と記されている。現在は北側だけが残り、樹齢400年のムクの巨木が植えられている。わが国の交通史を考えるうえで貴重な遺跡として、1934年(昭和9)に国の史跡に指定された。JR関西本線亀山駅から徒歩約15分。