金剛山(奈良県)(読み)こんごうさん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「金剛山(奈良県)」の意味・わかりやすい解説

金剛山(奈良県)
こんごうさん

「こんごうせん」ともいう。奈良県中西部、御所(ごせ)市にある山。標高1125メートル。奈良県と大阪府の境界をなす金剛山地の主峰で、片状花崗(かこう)岩からなる。古くは葛城山(かつらぎさん)(葛木山)、別名を高天山(たかまやま)(高間山)という。山名山頂にある役行者(えんのぎょうじゃ)創建と伝えられる金剛山転法輪寺(金剛山寺)にちなむ。奈良時代以後、転法輪寺の隆盛とともに葛城修験道(しゅげんどう)を形成した。元弘(げんこう)の変(1331~1333)に河内(かわち)国楠木正成(くすのきまさしげ)はこの葛城山伏の勢力を頼んで西側山腹の赤坂、千早(ちはや)に城を構え挙兵した。転法輪寺のほか、葛木神社や宿泊所、展望台などがあり、全山国史跡に指定され、また金剛生駒紀泉(いこまきせん)国定公園に含まれる。登山道は大阪側から登るのが一般的で、ロープウェーも通じる。

[菊地一郎]


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